糖尿病で怖いのは合併症。糖尿病の三大合併症である網膜症、腎症、神経障害の他、脳卒中や心筋梗塞、そしてガンになりやすいリスクも高いことがわかってきています。
中でも気になるのがガン。日本人の2人に1人がガンになっているというデータもあり、少しでもガンになるリスクは減らしておきたいものです。
では、糖尿病の人は健康な人に比べ、どれくらいガンになるリスクが高まるのでしょうか。また、糖質はガンとどのように関係しているのでしょうか。
糖尿病の人がガンになる割合は健康な人の1.2倍。肝臓ガンは約2倍にもなる。
国立がん研究センター 予防研究グループの調査によると、糖尿病と診断された人は正常な人に比べ、ガンになる割合が高くなることが判明しました。
男性は1.27倍、女性は1.21倍と、20%以上もガンになる割合が高くなっています。
さらにガンの種類別では、男性は肝臓ガンが2.24倍、腎臓がんが1.92倍、すい臓がんが1.85倍。女性は卵巣がんが2.42倍、肝臓がんが1.94倍、胃がんが1.61倍にまで高まっています。
糖尿病の人がガンになるリスクが高まる原因について、まだすべて明らかにはなっていませんが、少しずつ解明されています。
1つの要因として、インスリンの分泌量が低下すると、それを補うため高インスリン血症が増加し、それに伴って肝臓やすい臓においてがん細胞の増殖を刺激させるため、とされています。
高インスリン血症は肥満や運動不足でも増加し、がんになるリスクにつながっていきます。
さらに他のがんにおいても、がん細胞が増殖するために糖質が使われるため、ということも言われています。
がんになるリスクを高める大きな要因の1つとして、糖質が深く関わっているということで、注目を集めています。
糖質制限食をすることで、体内に取り込む糖質量を減らすとともに、インスリンの働きに改善させ、がんになるリスクを低くすることにもつながります。
また、糖質制限食によるダイエット効果でさらにリスクを抑えることも期待できます。
糖尿病の改善や健康維持とともにがんになるリスクを少しでも減らすため、糖質制限食に取り組んでみてはいかがでしょうか。