男子プロテニス王者・ジョコビッチ選手の食事改善法について書かれた本。
上位選手の一人に過ぎず、トップには手が届かなかったジョコビッチ選手の人生を大きく変えたのはコーチでもなく、新しい技術でもなく、新しい食事法でした。
ジョコビッチ選手自身の体験・経験に基づき、多くの人に役立つ食事法がまとめられています。
男子プロテニス界は長らくフェデラー選手とナダル選手の2強時代が続いており、3番手以降の選手との力差が大きく離れておりました。その2人の間に割って入り、世界王者に君臨したのがジョコビッチ選手です。
しかし、ほんの5年前まではランキング10位以内に入るものの、ナダル選手・フェデラー選手には及ばないプレーヤーの一人でした。
能力はありながらも活かしきれない。順調に勝ち進みながらも肝心な所で体調を崩して敗れてしまう、ということの繰り返しでした。
ジョコビッチ選手が生まれ変わったのは2011年のこと。前年の全豪オープンで準々決勝に進むも、試合中に体調を崩して敗れてしまいます。
その試合をたまたまテレビで観ていた栄養学者のイゴール・セトジェヴィッチ博士が「ジョコビッチ選手の体調悪化の原因は食事だ」と察し、ジョコビッチ選手に食事改善を勧めます。
最初は半信半疑だったジョコビッチ選手も、まさに生まれ変わったような効果を実感し、一気に世界のトップへと上り詰めて行きました。
ジョコビッチ選手を生まれ変わらせた食事が「グルテンフリー」です。
グルテンとは小麦やライ麦、大麦などの穀物に含まれているたんぱく質のこと。「糊」(グルー)の働きによってパンは柔らかくなり、ピザを回しながら空中に投げることもできます。
グルテンが含まれている食べ物は、パン・パスタ・ケーキ・マフィン・ドーナツ・クラッカー・シリアル、そしてビールなどの麦芽から蒸留されるアルコール飲料など。
その他、ソーセージやミートボール、ピーナッツバター、麦芽入りミルクパウダー、加工チーズ、揚げ物の衣、一部の化粧品にも含まれていることがあります。
これら、グルテンが含まれている食事(グルテンフリー)をジョコビッチ選手は取り入れたのです。
ジョコビッチ選手はさらにELISA血液検査の結果、グルテン不耐性に加え、チーズとトマトも避けた方が良いのと結果が出ました。
そこでジョコビッチ選手が発した言葉は、
「ウチの実家はピザ屋なんですよ!」
というものでした。実家がピザ屋で美味しいピザを食べて、テニスが上手くなってきたジョコビッチ選手にとって、ピザが食べられなくなるのはとても辛い決断だったと思われます。
しかし、その甲斐があってジョコビッチ選手は世界王者に上り詰めることができました。今、ジョコビッチ選手の実家はグルテンフリーの食事を出すお店になっているそうです。
グルテンフリーの食事法に加え、ヨガや運動、思考法など、ジョコビッチ選手がランキング1位に上り詰めるのに役立ち、多くの人にも役立つノウハウがまとめられています。
そして、なぜテニス人気がまったくなかったセルビアから、ジョコビッチ選手をはじめ、素晴らしいテニスプレーヤーが次々と生まれてきたのか。
内戦が激しく生きることで精一杯だった時代をどう生き延びてきたか、ということも記されています。ジョコビッチ選手の生い立ち、家族や友人、コーチ、その他多くの仲間たちの大切さが深く伝わってきます。
この生まれ変わる食事法は世界で戦うジョコビッチ選手などのプロスポーツ選手たちだけでなく、私たちの人生も大きく変えてくれるものです。
グルテンフリーの食事法に興味がある方はもちろん、生まれ変わって能力を発揮させたい方もぜひ読んで、取り入れる所からやってみてください。